第32回由学園美術工芸展

 

 ウェブギャラリ「第32回自由学園美術工芸展をご覧いただきありがとうございます。自由学園中等科高等科、最高学(大学部の生徒・学生が、美術の授業で制作した作品を発表いたします。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、自由学園では1学期はオンラインでの授業となりました。美術科では自宅での作品制作の課題を出し、中等科高等科、最高学部の生徒・学生たちは、完成作品を撮影し写真で提出しました。さらに提出された作品写真をWeb上のインスタグラムサイ「bijutsu_siza__jiyuで公開してきました。生徒たちにとってもいつも以上に、自分自身の作品を友人の作品の中でじっくりと見つめるよい学びの機会となったことと思います。投稿は500件を超え、現在も多くの方にご覧いただいています。

 2020年は通常であれば美術工芸展の開催予定の年ですが、現在の感染拡大の状況の中、学校を会場とした開催はかないません。しかしこれを中止とするのではなく、この機会を創造的に活かし、Web上で「美術工芸展を行うことといたしました。

 4月以降の学園での美術をめぐるさまざまな取り組みを通じ、美術は結局のところ、どんな状況でも自由に生き主体をつくることを目指しているということを感じています。感染拡大により芸術文化活動は窮地に追い込まれていますが、このような閉塞状況の中でこそ、私たちは、人間の精神の自由を、その豊かな可能性を信じ励ます活動を大切にしていきたいと思います。

 秋の学園の美しい風景の中で、生徒たちのみずみずしい表現に直接触れていただけないことは大変残念ですが、2016年度に開催されました前回の美術工芸展以降、今日に至るまでの生徒たちの作品をご覧ください。

 

由学園学園長 高橋和也​

実験室美術

 

 自由学園の美術では、身近なものを観察することを大切にしています。観察とは、事物の現象を自然の状態のまま客観的に見ることです。そして、そこにあるものの仕組みや特徴を見つけ、自分の考えに基づいて手や身体を使い、試しながら形を探っていくことが造形活動の基本です。その時、美術は自身が感じたこと、考えたことを確かめる実験の場となります。

 幼い子どもたちが絵を描き、ものを作りたがることは、自然に持ち得る欲求の一つとして認識されています。幼い子どもたちにとって、造形活動は未知なる世界との出会いであり、実験の場です。しかし、年齢が上がるにつれ、日本では学校教育の現場から美術の時間が減少し、多くの高等学校では美(芸術を選択科目としているのが現状です。

 現代にあっても私たちの暮らしは常に不安定であり、また未知なるものです。コロナウイルスの存在は改めてその事実を感じさせます。未知なる世界とどのように対峙していくか?その模索が始まる10代というかけがえのない時期に、身の回りを観察し、自分の頭で考え、実験の場として美術を学ぶことが私たちは重要だと考えています。

 さらに、美術は別々のものをつなぎ合わせるメディウ(媒介の役割を持っています。美術を介して様々な眼差しが交差することで、自己と他者をつなぎ、社会と社会をつなぎ、自然と人間をつなぎ、過去と未来をつなぎます。生徒、学生一人一人が美術を通して世界とつながり、自由な視点と発想をもって歩んでいくことを願っています。

 

由学園 美術科​​

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