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自分を見つめて|男子部中等科1年[2018]

 自画像とは、いつどの時代、年代においても非常に懐の深いテーマであるように思う。それは終局的に言えば、自分を介して、人という複雑で永遠に解き尽くせない存在に向き合うからである。人間性とは何か。自分という特殊と向き合いつつも、答えの無い問いに普遍的な回答を試みる哲学的な取り組みである。

 表面的な外形の描写では自分を的確に捉えることは決して叶わず、自分の内面にあるこの数量化できない自我のようなものを、線や点、色や質感、タッチとして紙の上に託さなければならない。日々刻々と不可逆的に変化する今の自分と自問自答する。累積された時間の分だけ、その厚みが作品の画面に徐々に立ち現れてくるのである。


*写真をクリックすると作品全体をご覧いただけます


指導|酒井恒太、中村知子

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