表現を泳ぐ|男子部中等科1年[2017]

 自分を取り巻くこの日常の世界を、いかに平面的に認識し生活していたかに気付かされる。立体造形に取り組むとその顕著化は甚だしく、途端に立体としてカタチにすることが難しく感じる。誰にでもこんな経験があるのではないだろうか。

 一方で、生物の多様さにはしばしば驚かされる。鮮魚屋に並ぶ魚だけをみてもその種の様々なカタチたちは、時に神秘的な驚きをもって私たちを魅了する。それは個々の立体としてのカタチの魅力に他ならない。

 魚はほとんどの男子部生にとって身近なモチーフであり、意外にも釣り好きが多い。そもそも、養魚という学びが男子部にあり、育てた魚を燻製にして楽しんでいる姿をよく目にする。よもや彼らは視覚的にというよりは、むしろ体験として触覚的な認知で魚を感じていたのだということを、美術の授業を通じて感じたのは後日談である。作品の魚たちは、そんな生徒一人ひとりの個性を纏ったカタチだと思う。


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指導|酒井恒太

​自由学園美術科
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